ポスデジタル |
- 日時: 2021/05/07 00:16
- 名前: やたじ
- デジタル革命は、メディアをそのつど01の数字列からメッセージを生成するマトリクスへと進化させた。以後、メディアは自ら存在者 - ヒトやモノ - との関係を制御し、ハイパーテキストの原理からなるメッセージがインタラクションによって変化しつづけるプロテウス的なプラットフォームへと姿を変えた。デジタル・メディアとは、あらゆる関係性の自律的な生成の場であり、無限の記憶の貯蔵庫であり、ヒトの行動を予め決定しているプログラムであり、いつでもどこからでも存在者を現前へと呼び出すことができる。全ての知識とモノとを百科全書的に一致させ、ライプニッツの形而上学が定義するような「モナド」としての情報端末からの固有の視点をとおして全存在者とコミュニケートし合い全宇宙を映し出す。デジタル・メディアは、世界のあらゆる情報の – <形而上学> 的な - 組織化を成就しつつあるとさえ言えそうなのである。
我々は既にデジタル技術が特別なものでないポストデジタル時代にいるとするキムカスコーン (Kim Cascone) 、松本良多 (Ryota Matsumoto) による説もある。デジタルツールはアート作成においてその重要性を増している。ロイアスコット (Roy Ascott) は乾いたデジタルメディアと湿った生物的システムの融合による「moistmedia」こそが21世紀のアートであるとした。 デジタル写真とデジタル印刷は既に美術館やギャラリーでも広く受け入れられている。デジタルアートは画像だけでなく、ロボットによるイラストレーション、ネットワーク上のアート、ソフトウェアのアートなどに広がっている。デジタルアートを収集する美術館も増えてきた。
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